​秒速0.02cm

2 Centimeter per Second

綺麗に揃った幾何学的な模様と、手触りが面白い凹凸感のある生地。

日本の伝統的な織物技法である「刺し子織」が生み出す、KUONを代表する生地の一つです。

 

刺し子織りはもともと、1930年代に起こった民藝運動の流れの中に生まれた技法でした。生活の中から生まれた手仕事の日用品の中に「用の美」、つまり使われることによって輝く美しさを見出して活用する民藝運動。寒さをしのぐために麻の布を何枚にも重ねて縫い合わせる「刺し子」の中にもその独特の美が見出されたことで機械化されたのが刺し子織りのはじまりです。それまで個人の技量に頼っていた刺し子を工藝の域にまで引き上げたとともに、テキスタイルアートとして広く楽しまれるようになりました。

 

そんな刺し子織は福島県の美和織物の大狭健市氏が継承しており、KUONとは2017 Spring&Summer
コレクションから一緒にものづくりを始めました。

 

大峡氏は19歳の時に柳悦孝氏(民藝運動の中心人物、柳宗悦の甥)に従事したベテランの職人で、現在日本で刺し子織りができるのはなんと大狭氏のみ。というのも、刺し子織りは非常に高度な技術を要するからなのです。経糸と緯糸に、刺し糸という第三の糸を加えることで、模様になる「刺し縫い」と生地の「織り」を同時に仕上げるのですが、1時間で1メートルしか織れないほどの非常に手間がかかる織りなのです。とても古い織り機を使っているため、気温や湿度の変化で機械の調子も変わってきます。長年の経験と勘で、微調整を加えながら丁寧に時間をかけて作り上げられるのがこの刺し子織りなのです。

どこか幾何学的でモダンなこの柄は、「柿の葉柄」と呼ばれるもの。刺し子織りには伝統的に伝わる柄がいくつかありますが、その代表的な柄の一つです。名前の通り柿を上から見た様子を表している模様で、虫除けや豊作祈願の意味も込められて昔から広く愛されています。

 

伝統と大狭氏の確かな技術が生み出す生地からは、ひしひしと伝わってくる歴史の重み、そして自信が感じられます。そんな生地自体の良さを楽しんでもらうために、現代のファッションシーンにも映えるモダンな印象の柿の葉柄を用いながら、生地を主役としたアイテムに落とし込みました。

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