
サッコラチョイワヤッセ
Beckoning of Happiness
「サッコラチョイワヤッセ!」という聞きなれない独特な言葉。
実は盛岡のさんさ踊りという踊りの中のかけ言葉です。盛岡さんさ踊りは毎年8月に盛岡で行われる大きなお祭りの中で披露される踊りなのですが、その昔人々が悪鬼退散を喜んで踊ったのが始まりといわれています。サッコラを漢字で書くと「幸呼来」で、幸せを呼ぶという意味。そのサッコラから名前をとって活動しているのが、「幸呼来Japan」というこの裂き織りの作り手さんです。

裂き織りとは名前の通り、「布を裂いて織る」という日本に古くから伝わる伝統的な技法のこと。誕生は江戸時代中期まで遡ります。当時庶民にとって木綿布は非常に高価で貴重なモノでした。特に東北のような寒冷地では高嶺の花のような存在だったため、できるだけ一つの物を長く、大切に着ようとあらゆる知恵を絞って生活していました。そんな中で、古く使えなくなった布を細く切り裂き、麻糸などと共に織ることで新たな布へと蘇らせるという裂き織りが生まれたのです。


明治時代以降裂き織りの文化は薄れていきましたが、その普遍的な美しさを次の世代へ継承しようと今でも裂き織りを生み出し続けているのが、幸呼来Japan。幸呼来Japanは障がいを持つ人たちを積極的に雇用し支援しつつ、地域の伝統技術を未来に繋ぐというビジョンを持って活動をしています。障がい者が持っている可能性、そして裂き織りが持つ美しさをもっと多くの人に伝え広げるたいという想いに共感し、彼らの協力を得てKUONでは様々なアイテムを作り出してきました。
この青い裂き織りは、今までのKUONのものづくりの中で出た端切や余った布などを集め裂き織りにしたもの。紺、青、白など様々な色が交わり統一感がありながらも複雑な表情を作り出しています。
たくさんの物語、そして思いが詰まった幸呼来Japanの裂き織りをぜひ楽しんでください。