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  • 執筆者の写真ARATA FUJIWARA

KUONの心臓部


先日岩手県の大槌町に行ってきました。

ここがKUONの心臓部です。

KUONで使用している襤褸の多くは明治や昭和初期の物が多く

中には江戸時代の物もありますので

鑑賞用としては良くてもそのままでは洋服には使えない物がほとんどです。

そのために補修を必要とします。

ひと言に補修とは言ってもミシンでダダダっと縫うわけにはいきません。

何故かというと機械の手が入ると襤褸全体の風合いが損なわれしまうのです。

それは部分的に見れば分からないかもしれませんが生地の持つ雰囲気というか

五感で感じる部分に違和感を感じるのかもしれません。

もともとが長い時間を掛けて継ぎ足しをされてきた生地ですので

補修も人の手によって行いたいというのがKUONの考えです。

そこでKUONでは東日本大震災の復興支援プロジェクトとして誕生した

大槌復興刺し子プロジェクト」さんに補修をお願いしています。

こちらでは80代のおばあちゃん達を筆頭に30人以上の

お母さん達が刺し子でさまざまな商品をつくっています。

KUONのフィロソフィーとしてファッションビジネスを通じた社会貢献があります。

ホームページに詳細を書いてありますのでぜひご覧になってください。

僕たちなりに寄付などの他に何かお役に立てることはないかと考えた結果、

お母さん達が身につけたスキルを活かして襤褸の補修をお願いすることにしました。

今はたくさんの仕事はありませんがKUONが大きくなるほど

お仕事を多くお願いできるのでお互いが助け合える環境になればと考えてます。

支援ではなくパートナーとして一緒にお仕事ができればと嬉しいのです。

ビジネスと社会貢献、

ややもするとパフォーマンス重視と思われるかもしれません。

実際に震災直後にはたくさんの企画やチャリティーなどが行われました。

しかし4年半が経った現在でも残っているのはごく僅かです。

もちろんその間にも日本だけでなく世界中でたくさんの災害などがありましたので

いつまでも復興支援だけという訳にはいきません。

それでも特にファッションの世界では社会貢献と言うと

「あ〜はいはい」って言われることも少なくないです。

きっとそれはこれまでファッションビジネス全体として

社会貢献に取り組んできたことへの世間一般の評価なのだと思います。

ですが公表はしてないけれど継続的で素晴らしい活動をされている

アパレル企業は実はたくさんあるのです。

それでも華やかな世界なので何事も悪目立ちするのでしょうか。

僕たちはファッションには人を明るくする力があると信じています。

好きな洋服や新しい洋服に袖を通すときは誰もがウキウキした気分になりますよね。

震災から4年半経った大槌町でも、刺し子のお母さんたちは

支援物資でもらった洋服を自分たちでアレンジして楽しく着てらっしゃいました。

KUONはファッションブランドですので「かっこいい」ことが何よりの優先事項です。

どんなに活動が素晴らしくても、かっこよくなければKUONの存在意義はありません。

ただ、僕たちの目指す「かっこよさ」や「美しさ」は見た目だけではなく、

襤褸と同じく「その存在そのもの」です。

大槌町での活動を含めてKUONがかっこいい存在になれるようになりたいと思います。


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