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  • 執筆者の写真ARATA FUJIWARA

30cmの攻防


KUONの展示会などで実際に商品をご覧になってくれた皆さまが

圧倒的な襤褸の存在感の次に良いねと言ってくださるのが仕様の面白さでした。

KUONのシャツなどの商品には上の写真の様に複数箇所に剥ぎがあります。

もちろんデザイン上の狙いもあるのですが、

この仕様はさまざまな生地をつなぎ合わせている襤褸ならではなのです。

これには日本特有の着物文化が密接に関係しています。

着物の反物の幅は9寸8分(約37cm)が標準です。

KUONで使用している襤褸の年代では9寸5分(約36cm)が多かったそうです。

さらに襤褸は端が破けていることが多いので実質使える部分は30cm程度です。

一方で洋服は幅36cmではまったく収まりません。

となると洋服に作り変えようとすると必ず剥ぎがどこかに入ることになるのです。

剥ぎはデザインのポイントとしてとても良いアクセントになることもあれば

場合によってはうるさい感じになってしまうこともあります。

この30cmをどこで使うかがデザインが大きく変わってくるのです。

着物文化と洋服文化の違いですね。

裏側はこんな感じになってます。

破れた部分には当て布をしたり補修したりと

こちらの方が生地の表情が豊かかもしれません。

もしKUONの商品を実際に手にとっていただくことがあればぜひ裏返してご覧ください!

​この30cmの攻防がKUONの醍醐味でもあるのです。


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